フィナンシェ倶楽部のロゴマーク

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Financier!

幕を閉じた洋菓子店「カトレア」の、京都で先駆だったフィナンシェのお話。

京都で「カトレア」といえば、山科界隈では有名な昭和の洋菓子店でした。1960年(昭和35年)に創業、京阪「四宮駅」前に開業以来64年に亘り営業を続けてこられましたが、原材料の高騰、後継者不在などを理由に、惜しくもこの6月末にその幕を閉じられました。

「カトレア」といえば昭和の高度成長期より ”町のケーキ屋さん” として京都庶民に愛され続けた洋菓子店。中でもこの街ではご進物用としてフィナンシェを逸早く販売したお店でもありました。日持ちする焼き菓子をどこもまだ商品化していない50年前のこと。たまたま参加した洋菓子の勉強会で教わった、そのフィナンシェを迷うことなく次の日から商品化に踏み切ったという北尾社長。

バタークリームが主流で、ドレーンチェリーや仁丹のようなアラザンがケーキを飾る時代に、フィナンシェは瞬く間にこの店の人気商品となりました。

閉店のことが地元のニュースや新聞などで発表されると、子供の頃からこの店のケーキで記念日を送ったという家族たちが、涙ながらに訪ねて来られては閉店を惜しまれたとのこと。昭和のよき思い出の店の灯が消えるのは、本当に寂しいことです。

「たくさんのお客様からお礼のお手紙、感謝のメッセージを頂戴しました。今まで本当にありがとうございました。」とは北尾茂人社長。